浅田次郎著を読みました。清朝末期西太后を中心として、変動していく時代にかかわる人たちの物語。
中華全土から数々の難関を突破した秀才を集めて行われる「科挙」制度、宮廟に仕える「宦官」についてが、良く分かり興味を引いた。かなり高い前評判を聞いて読み始め、浅田次郎の描写する物語の背景を分かりやすくする語り部としての脇役の配置が素晴らしいと、途中までは思っていたのだが。脇役が多過ぎて、またその脇役の物語が深過ぎて、いつのまにか誰が主役なのか曖昧になってしまった。同郷の3人が主としても、どれも間がすっぽ抜けてるし、西欧諸国の思惑により、悪女に仕立てられてしまった西太后の真の姿を描いたとしても、それもまた深さが足りないし。途中で疲れて、最後まで走り切れてない感じがする。