宮城谷昌光著を読み終えた。
紀元前5〜6世紀、周王朝末期の鄭という国で、礼によって政を行った公孫僑という人の伝記だ。とにかく、人の名前が似ていて紛らわしいのと、相手により同一人物でも呼び名がかわるので、ぼーっと活字を追っていると何が書いてあるのかわからなくなってしまう。
例えば、この子産は幼名が僑で元君主の孫であるから、親族からは公孫僑もしくは、僑とよばれる。身分が下の人からは子産と呼ばれる。父は子国で君主の子で幼名が発であるから公子発とよばれ、この家は氏は子であるが、公子はみな氏が子なので子産の家は国氏と呼ばれる。それでいて、この公子、公孫は3代前の君主、穆公を祖としているので、全体では穆氏一族である。
で、政を預かる貴族はみな公子、公孫なので他に子駟だの子皮だの子展だのと、とにかく子がつくのが山ほどでてきて、その一人一人の家系について説明が入るのだ。
しかも、君主の孫や子は沢山いるので、孫と子で歳が違わなかったりもする。
まあ、結局の所、あんまり理解できなかったということだ。
この子産の肝は、子産に遅れること20年で孔子が誕生しており、その孔子が手本にした人物の一人であるということだ。そこに、この人物の歴史的存在価値があるのだ。